アメリカのAmazonが発行しているクレジットカードのポイント還元率が5%もあると一時期話題になったことがあります。このように、アメリカでは日本にはない魅力的なクレジットカードが発行されているケースもあるのです。
そこで今回は、アメリカのクレジットカード事情について記事にまとめました。調べていくと、確かに魅力的なクレジットカードは発行されていますが、その裏でリボ払いによる手数料収入をカード会社は得ていることもわかりました。更に、リボ払いによる手数料の支払いで家計を圧迫している人がいることも・・。
以下、順々に説明していきます。
目次
アメリカのクレジットカード事情について
リボ払いが一般的な支払い方
アメリカでは、一括払いではなく、リボ払いが一般的な支払い方として設定されています。よく、アメリカ人の借金が多いという話を聞きますが、どうもクレジットカードのリボ払い残高が原因のようです。日本同様、アメリカでもリボ払いは高金利です。何と、Bank of Americaのような大手が発行しているクレジットカードですら、金利が最大で24%にも達するのです。アメリカ人はリボ払いによって、クレジットカードで多額の借金を負ってしまうのです。
2017年の調査によると、アメリカではクレジットカード保有者のうち、3.21%もの人がクレジットカード破産しています。3%が破産していると聞くと社会システムが破綻しているようにも聞こえてしまいます。ただ、アメリカでは現実問題、そうなっているのです。
リボ払いの危険性を認知する上でアメリカの事例は重要なサンプルです。リボ払いの危険性についてはこちらの記事にまとめてあります。
クレジットカードの請求額は自分で振り込む
アメリカでは、クレジットカードの請求額は銀行引き落としではなく、自分自身でクレジットカード会社にお金を振り込む必要があります。万が一、支払いを忘れると、クレヒスが下がるだけでなく、延滞料金を支払う必要さえ出てしまいます。
私なんかはズボラですので、絶対に忘れる自信があります(涙)。日本のシステムが如何に優れているか、しみじみと感じました。駐在などで現地のクレジットカードを作ろうとしている方はこの点に注意して下さいね。
クレヒスが重視される
日本ではおよそ80%の普及率を誇るクレジットカードですが、アメリカではおよそ50%です。クレジットカードの普及率に関しては、日本の方が進んでいるくらいです。
一方、クレジットカードの利用額は日本では44兆円であるのに対し、アメリカは640兆円も利用されています。。日本とは雲泥の差です。
何故か、それはアメリカではクレヒスを大変重視しており、これが悪いと限られたクレジットカードしか作れない事情があるからです。クレジットカードの審査基準にクレヒスの信用度の項目があり、信用度の高さに応じて発行できるクレジットカードが決まっているのです。
クレヒスとはクレジットヒストリーの略です。あなたが過去にクレジットカード会社からの請求をきちんと支払っているかどうかが記録されています。きちんと支払えば、クレヒスのスコアは上昇し、延滞すれば下がる仕組みです。
クレヒスに関しては、日本以上にアメリカでは重要視されており、アメリカではクレヒスが無いとクレジットカードの発行すら出来ません。
このような利用から、アメリカ人はクレヒスを上げるためになるべくクレジットカード払いで買い物を行うのです。更に、遅延なくクレジットカード会社にお金を支払い、クレヒスを向上させようと努力をせざるを得ない事情があります。
日本人もそうなのですが、アメリカは移民の大変多い国です。アメリカへ移住してすぐにクレジットカードを作ろうと思ってもクレヒスがゼロなため、クレジットカードを作ることさえ出来ません。実際の所、アメリカ駐在者はこの点で苦労することになると思います。
更に、クレヒスはクレジットカード作成時だけでなく、家や車を買う時も参考にされます。クレヒスが低いと頭金を多めに請求される、金利が上がるなど、不利な条件でしか契約できません。クレヒスが低いと社会的な不利益を被ってしまうため、必死にクレヒスを上げようという努力をしなければならない事情があります。
クレジットカード犯罪も多い
アメリカでは、クレジットカードの利用額が多いために、犯罪にあう確率も日本より圧倒的に高いです。金額で言うと年間5000億円の被害が出ています。
更にアメリカに住んでいる人のうち、実に40%が過去にクレジットカードの不正利用の被害にあった、と答えています。アメリカ人も細心の注意を払ってクレジットカードが不正利用されないようにしている事情があります。
アメリカのgoogle newsを毎日みている私ですが、クレジットカードの不正利用に関するニュースは、毎日何件も見掛けます。
アメリカで一番高い紙幣は100ドル札ですが、全世界で出回っている偽札で最も多いのがこの100ドル札なのです。そのため、100ドル札で買い物をすると店員に嫌な顔をされますし、偽札ではないかと鑑定までされるケースもあります。
そのため、高額な買い物する時などは、現金払いよりはクレジットカードの方が好まれるのです。日本で偽札というとビックニュースになりますが、アメリカでは日常です。アメリカのクレジットカード事情も悲しい現実の上で成り立っているのです。
アメリカで発行されているクレジットカードの紹介
負の側面を持っているアメリカのクレジットカード事情について説明しましたが、ここからはアメリカで発行されているクレジットカードについて紹介します。クレジットカードとして見た場合、日本以上の高還元率カードを作ることが出来ますので、順々に説明していきます。
Bank of America社発行のクレジットカード
まずは、Bank of America社が発行しているクレジットカードについて紹介します。(リンクはこちら 英語のサイトになります)。Bank of Americaといえば、アメリカの大手銀行です。日本の感覚でいうと銀行が発行しているカードはあまり還元率が高くないと考えてしまいがちですが、何と還元率が1.5%もあります。還元率1.5%といってもポイントではありません。1.5%分請求額から値引いてくれるのです。
日本のクレジットカードの還元率は0.5~1.0%程度ですから、1.5%という数字は驚異的な還元率です。更にですよ、還元率1.5%というのはアメリカでは決して高い還元率ではないのです。
Chase社発行のクレジットカード
次にChase社が発行しているクレジットカードを紹介します。(リンクはこちら 英語のサイトになります)。このクレジットカード、1%のキャッシュバックを行っていますが、更に1500ドル(日本円で約150万)使用した場合、75ドルのキャッシュバック(還元率約5%)を獲得できます。あわせて最大6%の還元率となります。
更に、クレジットカード発行後最初の3ヶ月で500ドル使用したお客さんには150ドルのキャッシュバックを行っています!
150ドル相当のキャッシュバックを行っているクレジットカードも十分破格ですが、6%もの還元率を誇るクレジットカードも凄まじいです。こんなクレジットカードが日本で出たら、市場を席巻すると思います。
Amazon社発行のクレジットカード
上の二社は日本で馴染みがあまり無いと思いますので、もう一例紹介します。冒頭で紹介したAmazonが発行しているクレジットカードになります(リンクはこちら 英語のサイトです)。Chase社とAmazon社が共同で発行しています。こちらのクレジットカードはAmazon プライム会員限定ですが、Amazon内での買い物であれば5%の現金還元、その他の買い物でも1%のキャッシュバックを得られます。
ちなみに、いま説明したクレジットカードは全て年会費無料で作ることが出来ます。更に、外国でクレジットカードを利用した際、日本だと為替手数料を1~2%取られますが、先ほど説明した3枚のクレジットカードに関しては無料です。
日本で取得可能か
これだけ、お得なアメリカのクレジットカードですが、日本国内からアメリカで発行されているクレジットカードを作ることは、残念ながら不可能です。
理由としては、
1. アメリカ国内でのクレヒスが無いこと
2. アメリカ国内の銀行口座を開設する必要があること
が挙げられます。
クレヒスは各国独立で管理されており、いくら日本でクレジットカードを使い続けたとしても、アメリカまで情報が伝わらないという事情があります。アメリカのクレヒスを良くするには、アメリカのクレジットカードを使用する必要があるのです。
また、アメリカのクレジットカードの引き落とし口座はアメリカの国内銀行にしか設定できません。そのため、アメリカ国内の銀行口座を開設する必要があるのですが、日本に居住しながら、アメリカの銀行の口座を開設することは非常に面倒です。
一部の銀行を除き、アメリカに行かないと、銀行口座は開設出来ません。更に、アメリカの銀行は一定額以上の預金が無い場合、口座維持するための手数料が掛かります。この辺をクリアーしたとしても口座の現金を維持するには日本からアメリカにお金を送金する必要があります。日本の銀行から海外の銀行への送金もそれなりの手数料が掛かってしまいます。
このような事情から、クレジットカードだけのために口座を作っても、クレジットカードによるポイント還元率以上の手数料が掛かってしまいます。
ただ、日本国内でもアメリカで発行されている高還元率クレジットカードが登場して欲しいですね。特にAmazonには期待しています。
これを、アメリカ人に還元しているだけなのです。日本の場合、リボ払いはオプション的な位置づけであり、申し込んでいる人は少数派です。そのため、クレジットカード会社がアメリカと比べて儲かっていないため、還元率が低めなのです。
どちらの社会が良いかと言われると、日本の社会の方が優れているようにも見受けられます。あなたはどのように感じましたか?
まとめ
いかがですか。アメリカのクレジットカード事情についてまとめました。自分でクレジットカード会社に請求額を振り込む点、厳格にクレヒスが適用されている点など、使いづらい点もありますが、還元率は非常に高いのがアメリカのクレジットカードの特徴です。
日本と比べると、文化が全く違いますので、アメリカでクレジットカードを作る・使う時は是非気を付けて下さいね。
今回は以上になります。
参考記事
アメリカでは様々な種類のクレジットカードが発行されています。中には日本にはないカテゴリーのカードや、本当に金メッキの塗られたゴールドカードさえあります。そんなアメリカで発行されているクレジットカードを分類してまとめましたので、良かったら参考にしてみて下さい。