クレジットカードブランドであるVISAについて、名前を聞いたことが無いという方はほとんどいないのではないでしょうか。テレビのCM・雑誌の広告・小売店などVISAカードという名前は日本のありとあらゆる場所でみかけます。また、日本では多くのクレジットカードにVISAブランドが採用されています。
ところが、名前の認知度の割にVISAについて知っている人はあまりいないのではないでしょうか。そこで、今回の記事ではVISAブランドについて解説して行こうと思います。
VISAの規模
VISAカードは全世界で25億枚発行されており、200カ国で使える世界最大のクレジットカード決済ブランドです。その全世界合計の決済額は100兆円にものぼります。全世界の人口は75億人程度ですから、およそ3人に1人はVISAカードを持っている計算です。いかに巨大な会社かがわかります。
また、VISAをアメリカのダウ工業株30種にも採用されています。世の中の中枢を担う企業となっています。
この規模ゆえ、海外旅行に行く可能性のある方の場合は、まずはVISAカードを検討するのが無難です。VISAカードが使えない国のほうが珍しいくらいです。何と北朝鮮でも使えます!
VISAの歴史
VISAブランドはアメリカで生まれます。1958年にバンク・オブ・アメリカ傘下で世界初の個人向けクレジットカードが発行されました。当時のクレジットカードは紙で出来ており、使用限度額は300ドルだったそうです。
その後、1976年にバンク・オブ・アメリカから独立し、VISAブランドが誕生します。VISAという名前を採用したのは全世界のどの言語でも皆が同じ発音で呼べるからだそうです。この時点で全世界展開することを想定していたようです。
その後は世界中にリーディングカンパニーとしてクレジットカードを発行し続け、現在の規模になりました。カード発行枚数自体は中国の銀聯(ぎんれん)カードに抜かれましたが、決済金額としては今でも世界最大を誇ります。
世界最大がゆえに
全世界で最も大きいクレジットカード決済ブランドがゆえに、その圧倒的地位を利用して他ブランドを追い込むことをしています。
1998年にはVISAブランドはVISAブランドを発行している銀行に対し、他ブランドであるアメリカン・エクスプレスやディスカバーのカード作成を禁じていました。
無論、このような規定は違憲ということで無くなりましたが、決してきれいごとばかりの会社ではないのです。
VISAの今後
VISAはクレジットカード業界では圧倒的リーディングカンパニーとしての地位を築いています。ところが、現在はその地位がゆらぎつつあります。Apple Payが登場したためです。Apple Payでは、VISAが築き上げた決済ネットワークを介さずに電子マネーとして利用可能です。
これが何を意味しているかというと、VISAはAppleから手数料を受け取れないのです。VISAとしては当然おもしろくありません。よって、現在Apple payにはVISAカードでチャージ出来ません。
私たちから見た場合、VISAとかブランドはどうでも良いです。やりたいことが出来るか、ポイントが付いているか・お得かくらいしか見ていません。
特に電子マネー決済は非常に便利でクレジットカードのように暗証番号の入力、サインの署名が不要です。Apple payが私たちに何らかのポイント還元をしてくれるわけではないので、今現在すぐにクレジットカードを追い抜くとは思いませんが、VISAと競合関係にはなると思います。
競合になれば自ずとVISAは良いサービスプランを出さざるを得なくなります。こうなると私たちにとっては、嬉しい話です。
また、小売店としては好きでクレジットカードを使っているわけではありません。クレジットカード払いの場合、どうしても手数料を取られてしまいます。手数料をいかに減らすかというのは小売店オーナーの悩みです。そこに、手数料を一気に減らせる決済手段が出てきた場合、なだれ込むようにみんなが使い出す可能性もあります。
今の世の中、ソフトウェア方面の進歩は目を見張るものがあります。決済手段が一体どのように進化していくのか、今から楽しみですね。
今回は以上になります。