クレジットカードとよく比較される決済方法がデビッドカードです。
株式会社JCBが2020年2月26日に発表した「クレジットカードに関する総合調査」の2019年度の調査結果によると、デビッドカードの保有率は24.7%、利用率は11.7%となっています。
この記事ではクレジットカードとデビットカードの違いについて詳しく解説していきます。
目次
クレジットカードとデビットカードの違い
クレジットカードとデビッドカードの違いを比較し表にまとめてみました。
クレジットカード | デビッドカード | |
---|---|---|
支払い方法 | 後払い | 即時払い |
支払い回数 | 1回払い、2回払い、分割払い、リボ払い、ボーナス払い | 1回払い |
利用限度額 | 発行会社が設定する利用限度額の範囲内 | 預金口座の残高および設定した利用限度額の範囲内 |
キャッシング等の借り入れ | 可 | 不可 |
海外での引き出し | 可(借り入れ扱い) | 可(預金口座からの出金扱い) |
この表の項目についてそれぞれ説明します。
クレジットカードとデビッドカードの支払い方法の違いについて
クレジットカード:翌月の指定日に銀行口座より引き落とし
デビットカード:即座に銀行口座より引き落とし
クレジットカードとデビッドカードの一番の違いがこの支払い方法です。
前述の「クレジットカードに関する総合調査」の2019年度の調査結果においても、デビッドカードの利用理由として「すぐ引き落とされるため家計管理がしやすいから」というのが32.9%を占めています。
また利用金額は通帳に記帳しさえすれば記録として残るので曖昧さがないことと、ATM手数料を節約できることもデビッドカードで決済をする大きなメリットと言えるでしょう。
クレジットカードとデビッドカードの支払い回数の違いについて
クレジットカードはデビットカードと違い様々な支払い回数の選択が可能ですが、分割払い、リボ払い、ボーナス払いの場合は所定の手数料がかかります。
初めてクレジットカードを利用する方の場合、実際にどのくらいの金額を支払えばよいのかイメージしにくいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような時におすすめなのが、各クレジットカード会社のHPで提供している分割払いのシミュレーションです。
利用予定日、利用金額や支払い回数、手数料率などを入力すると支払いの元金、手数料、支払い合計金額などをあらかじめ把握することができるので、不安な場合はシミュレーションを事前に行っておきましょう。
デビッドカードは1回払いのみなので、もちろんこのようなシミュレーションは必要ありません。
クレジットカードとデビッドカードの利用限度額について
クレジットカードの利用限度額はカード発行会社によって決められますが、デビッドカードの場合は少し異なります。
デビッドカードの利用限度額=口座残高というのが基本になりますが、カード発行会社より1回、1日、1か月の利用限度額を初期設定で決められている場合があり、それを自分でネットやアプリなどで変更して使用可能なデビッドカードも存在するのです。
自分で利用限度額を決められるデビッドカードで口座残高を越えた支払いを行った場合はデビッドカードの発行会社や銀行が立て替え払いをしているということなので、速やかに口座に入金するようにしましょう。
自分の使用するデビッドカードの利用限度額についてどのように定められているかを調べ、限度額が口座残高ではない場合は自分の支払い能力に応じた利用限度額の設定を行っておくのが望ましいと言えます。
キャッシング等の借り入れについて
クレジットカードにはショッピング機能以外にキャッシング機能がついている場合が多いですが、デビッドカードにはキャッシング機能はありません。
キャッシング機能を使用したい場合はデビッドカードではなくクレジットカードを選ぶのがよいでしょう。
海外での引き出しについて
クレジットカードではキャッシングでの借り入れ扱い、デビッドカードでは預金口座からの出金扱いとなりますがそれぞれ海外で現金を引き出すことが可能です。
この場合どっちがお得なのかを考える際に覚えておきたいのが海外事務手数料と海外ATM手数料についてです。
海外事務手数料とはクレジットカードやデビッドカードを海外で利用した時にかかる所定の事務手数料のことです。
国際ブランドや各カードによって異なりますがおおむね利用額の2%前後であることが多いでしょう。
また海外ATM手数料とは海外でATMを利用した際にかかる手数料で、これもカードにより無料から200円程度までさまざまです。
海外旅行にカードを持って行きたい方はこの手数料についてと、海外旅行保険、海外ショッピング保険の内容をよく比較検討の上どのカードにするかを選択するのが望ましいでしょう。
デビットカードの今後の展望について
クレジットカードとデビッドカードの違いについてご理解いただいたところで、今後のデビッドカードの展望について説明します。
キャッシュアウトサービスについて
2017年4月に施行された、銀行法施行規則改正に伴う規制緩和を受け、2018年4月2日から、日本でJ-Debit「キャッシュアウトサービス」が開始されました。
キャッシュアウトサービスとはデビッドカードを用いて実店舗のレジで自身の銀行預金口座から現金を引き出すことができるサービスのことを言います。
海外ではデビッドカードの普及率が日本よりも高いことに連動して、キャッシュアウトサービスも珍しいものではありません。
キャッシュアウトサービスのデメリットはレジ担当者の方の負担が増えてしまうことや、デビッドカード加盟店でないと使用できない点です。
しかしそれを上回るメリットが3つあります。
①高額なATM設置の必要なく同様のサービスを提供できること
ATMの設置費用は1台につきおおまかに1000万円前後と言われ、イニシャルコストの高さと熱放出による空調費用でランニングコストもかかることから加盟店にとって簡単に設置できるものではありません。
しかしレジで現金を引き出せるのであれば、サービスを提供するための設備投資は大幅に安くなった上で同じサービスをお客様に提供できるのです。
②手数料が無料であること
デビッドカードのキャッシュアウトサービスでは手数料がかかりません。(一部例外あり)
③新たなカードを作る必要がなく手持ちのデビッドカードで利用可能なこと
新しいサービスを利用するには新しい端末などが必要になる場合が多いですが、キャッシュアウトサービスでは既存のデビッドカードがそのまま利用可能なので新しいカードを作る手続きが必要なくそのままサービスを利用できます。
デビッドカードはこのキャッシュアウトサービスが普及すれば、さらに保有率や利用率が上がるのではないでしょうか。
まとめ
クレジットカードとデビットカードの違いは支払い方法や支払い回数にあり、海外ではデビッドカードの方がクレジットカードを上回る保有率であることがわかりました。
デビッドカードの使い勝手の良さが自分の生活に合っていると感じたなら、クレジットカードだけではなくデビッドカードを含めて利用を検討してみるのもよいのではないでしょうか。
参考までにクレジットカードの仕組みについてこちらの記事にまとめました。
良かったら、こちらの記事も読んで頂けると幸いです。